かわいい古代魚

 サカバンバスピスという古代魚が知られています。サカバンバスピスは、地球の地質年代でいうと古生代のオルドビス紀に生息していた古代魚です。サカナ、といっても顎が未発達な無顎類と呼ばれるグループに属する、今の魚たちの祖先です。ウィキペディアによれば、サカバンバスピスの化石はボリビアで最初に発見され、言葉の意味としては「盾」を意味する aspis から命名されたそうです。この古代魚(といっても化石しか残っていないのですが)復元した模型が大変かわいらしいという理由で2023年の前半、ネット上のSNS等で大いにブレイクしました。

 X(旧ツイッター)ではイラストなどをアップしているボクのフォロワーさんたちも、このサカバンバスピスのイラストや絵を投稿される方が多く、ボクもご多分に漏れずサカバンバスピスの水彩イラストを描き、X(旧ツイッター)上にポストしたことを覚えています。(上記の拙いイラストがボクのそれですw。)

 さて「なぜあなたは絵を描くのか」という問いに対し、ボクのような多くの人、依頼人の依頼に応える形で絵やイラストを描くことを生業としている人以外の人間は、上記のような「可愛らしいから自分も描いてみたい」という理由さえあれば自由に何でも描いてみるといいと思います。「描きたいから描く」これが大切であって、これでいいのだと思うのです。しかしながら、ちょっとした絵を描くにも「絵を描く」といえば何か大ごとを始めるような空気が生まれ、「自分ごときが絵なんて描けるのか、あるいは描くことができるのか」といった足かせになるような気持ちを起こさせるしがらみが私たちの国には多すぎますよね。

 前の記事やこのHPのはじめにも述べていますが、みな、「やってみたいことは遠慮せずやってみよう!」これが大事なのだと思います。絵を描くという作業はとても自然な形で自分を解放させてくれる行為だと思います。「とにかくやってみる」とそれまで見えなかった何かが見えるようになります。見えるようになる対象は一人一人違うと思いますが、それはあなたにとって大切な何かであることは間違いのないことだと思います。

 サカバンバスピスを描いている時間は短かったけれど、とても楽しい時間であったことは記憶しています。もう化石でしか残っていない太古の友だち。おどけた表情なのだから色合いはこんな感じかな?と絵の具の色や水の湿り具合をわくわくしながら決めていったことを覚えています。

 小さな絵、簡単な絵、で大丈夫。さ、あなたもお絵かきを始めてみませんか?

2023年12月18日 こけのきもち

 

ボクは絵を描き始めた

 どうにも抑えきれない純粋な衝動に従って、ボクはお絵描きを始めました。お絵描きを始めた、といっても描き始めたのはもうかれこれ7,8年くらい前になるかと思います。ずっと旧ツイッターやインスタグラムなどで「こけのきもち」のペンネームで気ままに投稿していましたから、つい最近始めたという書き方は正しい表現ではないのですが、あらためて自分でホームページを立ち上げ、しっかり「文章と写真」という形で記録を残してみようと思い立ち、こういう表現で書かせていただきました。

 これは記念すべき第一回目のブログ記事です。ボクがお絵描きを始めたきっかけなどを綴らせていただきます。

 今でもしっかりと記憶しているボクも絵を描きたいという衝動の芽は、すっかり有名になったコーヒーショップ「カルディー」のグッズや壁紙のイラストなどを担当されている井上リエさんのイラストを拝見したことです。それ、いやそのお店に飾られた初めて見るリエさんのイラストはボクにとって衝撃的な出会いでした。それ以来ボクはコーヒーショップ「カルディー」に足を運ぶたびに肝心のコーヒー豆を買うことも忘れて店内に飾られたリエさんの絵にうっとりすること、しばしばでした。

 そしてしばらくの月日が過ぎて「あ、これが絵を描きたいという衝動の芽なのだ」とボクは気づいたのです。「ボクもこんな楽しい、ずっと眺めていられるような絵を描いてみたい」、そんな気持ちを強く抱いたままボクはホルベイン製の透明水彩を買い込み、お絵描きを始めたのでした。

 さて、いざこうして今後ブログとしてお絵描き素人のボクが文章としてのブログを書き始める計画を立ててみると、実にたくさんのテーマと伝えたいことがあることに気づきました。そして絵を描くという行為がボクにとってかけがえのない行為であること、仕事の奴隷になっている日々の状態から人間性を取り戻す最も自然な方法であること、絵を描く行為に没頭する時間と完成した後の絵をつらつらの眺める時間がいかに楽しく素晴らしい時間か、ということに気づいたばかりでなく絵を描くことの楽しさや絵を描くことは決してハードルの高いことではないということをたくさんの人に伝えるべきではないか?と考えるに至ったのです。

 あらためて述べますが、ボクが絵を描き始めておおよそ十年近く経つわけで、その間に湧き上がってきたいろいろな気持ち、また画材やその使用感の発見など、ブログで伝えるのに十分なほどのネタがあることに気づきました。自分も絵を描いてみたいが躊躇している方、またこれまでアートに興味がなかったけれども最近気になる絵がある、そんな人たちにボクの経験と考えてきたことを伝えていくことは意味のある事、と勝手な解釈のままこの「お絵描き雑記帳」を始めてみたいと思います。

 これからボクはこの場でゆっくり、そしてあわてず、素人お絵描き愛好家のキモチを綴っていきます。みなさま、どうか、御贔屓のほどを。

2023年12月10日 こけのきもち